綾傘鉾囃子方保存会
現在、綾傘鉾の棒振り囃⼦は、綾傘鉾囃⼦⽅保存会の⽅々によって演じられています。
なお、祇園祭宵⼭の 3 ⽇間、綾傘鉾の南東側に設けた綾傘鉾後援会席において、⼣刻から数回、棒振り囃⼦が演じられます。
⼭鉾巡⾏以外で棒振り囃⼦を間近で⾒られるのは、宵⼭の 3 ⽇間のみとなっています。
お囃⼦を祇園囃⼦たらしめる 鉦⽅(かねかた)
祇園祭に参加する三⼗四基の⼭鉾の中で綾傘鉾は徒歩で巡⾏をします。
巡⾏の間、綾傘鉾の鉦⽅は⾸から提げ⽚⼿に持った鉦を摺り⼦(すりこ/鉦摺りとも呼ばれる棒 ※)で叩きながら進みます。
鉦の中央→下縁→上縁そして下縁を順に叩くと「コン・チ・キ・チン」の⾳⾊を鳴らすことができ、祇園祭のお囃⼦を独特な祇園囃⼦たらしめる、最も重要な楽器パートです。
鉦の曲を習熟することができて、はじめて笛・太⿎・棒振りの奏演も可能となることから、⼊会時は誰もが鉦の叩き⽅を覚えるところから始まります。
鉦は⾦属製で約 3kg ありますが「ソーレ」と⼤きな掛け声とともに、堂々と鉦を打ち鳴らして進む熟練者の姿は巡⾏における鉦⽅の誉れです。
※摺り⼦/鉦摺り: 先端に丸い塊を付けた棒であるが、塊の部分は⿅の⾓(根本部分)を輪切りにしたものを取り付けている。柄の部分は、かつては鯨の髭を加⼯して作られていた。(近年は捕鯨の困難さから、樹脂製のもので代替が進んでいる。)
洛中に祇園囃⼦を響かせる 笛⽅(ふえかた)
鉦⽅を熟練したものが担えるパートの⼀つが笛⽅です。
祇園祭に参加する多くの⼭鉾が能管を使⽤する中、綾傘鉾では主に「篠笛(しのぶえ)」を使⽤しています。七本調⼦の⾼い⾳が鳴る⼤型の篠笛で息をしっかりと吹き込んで鳴らす必要があります。時にはゆったりと、そして傘鉾らしく軽快に。緩急をつけながら祇園囃⼦の主旋律を奏でます。
笛の芯(パートリーダー)を担当する者は、巡⾏において先導者と囃⼦⽅の指揮を中継する役割も担います。
歴史上でも徒歩で巡⾏している期間が⻑い綾傘鉾ではありますが、かつて 30 年ほど曳鉾が存在していた時期もあります。曳鉾での巡⾏を想定した「渡り囃⼦」「戻り囃⼦」といった曲⽬を演奏する際には篠笛の代わりに「能管」も⽤います。
能管は篠笛以上に⻑く息を吹き込む必要があり、2つの笛を演奏する機会があるのは綾傘鉾で笛⽅を務める醍醐味といえます。
巡⾏の柱芯として 太⿎⽅(たいこがた)
鉦⽅を熟練し、お囃⼦の旋律を習熟した者が担当するパートです。
地囃⼦では⼆⼈⼀組で並び座った状態で太⿎を打ち鳴らしますが、巡⾏においてはお囃⼦の中⼼を担う⽴場から巡柱(じんちゅう)とも呼ばれます。
巡柱2名は「持ち⼿」と「打ち⼿」で構成され、神⾯(能⾯)を戴き、⾐裳を纏って太⿎を打ちながら舞い踊ります。
この時、持ち⼿と打ち⼿はそれぞれ次の神⾯を頭に戴きます。
・太⿎の持ち⼿は阿形の「⾶出(とびで)」:⼤地を疾駆する神を顕す
・太⿎の打ち⼿は吽形の「癋⾒(べしみ) 」:⻤神を顕す
⾶出と癋⾒は天から降って来る悪霊に睨みをきかせ威圧します。
主旋律を担当する2名に対し、相打ちを担う陰太⿎(かげだいこ)も2名で構成されます。
太⿎は締太⿎を使⽤しますが、固く緒(しらべ/紐)を締め上げることでより良い⾳を響かせることができるため、太⿎⽅は緒の締め⽅を習うところから始めます。
あらゆる厄を清め払う 棒振り(ぼうふり)
棒を⼿に踊りながら⾒事な踊りを披露し「⾵流囃⼦もの」の要素を現代の祇園祭に伝えています。
巡⾏においては⾚熊(しゃぐま)を被り、⾐裳を纏って舞い踊る巡⾏の花形です。
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